|
日本ユーザーのリクエストから正規販売へ |
|
|
ルノーに限らずフランス車は、ヨーロッパのなかでは以前からワゴンやミニバンに関心が高かった。1930年代には3列シートのクルマをつくっていたほどだ。
ルノーは1984年エスパスというオーバー2Lクラスのミニバンを発表し、ヒット車になった。その後、90年代に入り、セニックという2Lクラスの2列シートミニバンを発表した。これもフランスのユーザーには人気だった。日本にもルノーディーラーから正規輸入された。
今回のグランセニックは、そのセニックのフルチェンジに合わせて登場した3列シートの2Lクラスミニバンだ。昨年秋にフランス本国で発売され、日本のセニックユーザーのリクエストがキッカケで正規販売されることになったのだ。
|
ルノーはヨーロッパの自動車メーカーのなかでも安全性能の高さで知られている。グランセニックも安全性の高いミニバンなのだ。
|
|
|
|
ウィッシュやアイシス並の大きさ |
|
|
ボディサイズは全長が4.5m、全高は1.6mなので、ウィッシュの長さでアイシスの高さを持つイメージ。しかし全幅はアルファードよりも5mmだけ広いというプロポーション。
スタイリングはフロントマスクがルノーの最新ミドルクラスのメガーヌ、リアの垂直ウインドもメガーヌのイメージになる。ただしボディサイズはメガーヌよりも大きく、全体の印象はキュートだ。
インテリアもかなりユニークだ。フロントのインパネはドライバーの前からセンター部分にかけて、速度計やエンジン回転計などが並んでいる。ミッションはインパネシフト。
シートアレンジは2列目は3名分のセパレートシートになる。1脚ずつスライド、リクライニング、折り畳みができる。3列目は左右2名分のシートがある。こちらはワンタッチで床下への収納も可能だ。
また、ルーフはノーマルスチールルーフとダブルガラスサンルーフ仕様がある。
|
|
|
|
|
クセのないクルマ |
|
|
グランセニックのエンジンは4気筒DOHCの2L、133馬力。ミッションはマニュアルシフトモード付の4速ATが組み合わされている。ハンドル位置は右だ。
7人乗りのミニバン、しかもパワーは133馬力、というスペックから、その動力性能はあまり期待していなかった。
Dレンジにシフトしてスタートする。2Lエンジンは2000回転から、トルクが立ち上がり、アクセルレスポンスもよくなる。スタートから動きは思った以上に俊敏さがある。ただしエンジン音も2000回転あたりから大きくなりはじめる。
もっとスポーティに走りたければ、シフトレバーを左に倒し、マニュアルモードを選択すればよい。
サスペンションはややロールに対しての動きは大きいが、このクルマはファミリーユースのミニバン。この程度のソフトさはむしろ必要だろう。クセのないクルマだ。
|
|
|
|
|
使い勝手は◎ |
|
|
グランセニックの車両価格はノーマルルーフが279万8250円、ガラスルーフは309万150円だ。2Lクラスのミニバンとして、この価格はウィッシュやアイシスの最上級グレードが230〜250万円ということを考えると、決して高すぎることはないと思う。
室内は確実にその2車よりも広いし、なによりも安全性能はヨーロッパの衝突基準をトップクラスで合格しているほどだ。
シートのアレンジも国産ミニバンにはない使い勝手だ。1脚ずつ動かせる2列シート、完全に床下収納できる3列シート、3列シートをフラットにしたときのトノカバー、ダブルガラスルーフは開閉もできる。
とにかく使いやすく、使ってみると楽しくなってしまう装備がいっぱいなのだ。
はじめてミニバンに乗ろうという人もいいが、他社のミニバンに乗り、そろそろ次のクルマを、というミニバンを知っているユーザーは、ぜひ一度、このクルマを見てほしい。 |