トヨタ パッソセッテ 試乗レポート
Text:竹岡 圭 Photo:吉澤 憲治(編集部)
これが奥様方の本音をカタチにしたクルマ
最近超コンパクトミニバンと言うか、プチバンと言うかの、この手のカテゴリーの販売が好調のようだが、そこにまたまたニューカーが登場した。トヨタ パッソセッテ&ダイハツ ブーン・ルミナスである。その名の通りパッソ&ブーンをベースにしているので非常にコンパクト。しかし中にはしっかりと7人乗れる空間を確保しているというのが、このクルマの最大のポイントだ。ミニバンだというのに、最近流行りのスライドドアにしなかったのは、いくつかの理由がある。
スライドドアにすると、サイズも価格も大きくなりがちなので、とにかくいろんな意味で、気軽に乗れるコンパクトミニバンに仕上げたかったというのがひとつ。次に、スライドドアの持つファミリーっぽさを拭い去りたかったというのが二つ目だ。どうもアラサー&アラフォー世代の奥様方は、実は所帯染みたミニバンなんか乗りたくないというデータが得られたらしい。「独身のお友達や子供のいないカップルのお友達は、カッコイイクルマに乗っている。私だって所帯染みているよりは、カッコイイクルマに乗りたいのよ〜」というのが、本音らしいのだ。そして3つ目は、このサイズでスライドドアにすると、開口部の広さ的に厳しくなり、3列目への乗り降りが、かえってしにくくなってしまうからというのが主な要因だ。
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そんなワケで、スイングドアの3列シートの多人数乗りのクルマが登場したというワケなのだが、このクルマの企画提案は実はダイハツから行われ、トヨタへOEM供給というカタチが取られている。というのもこのクルマが生まれた経緯は、ダイハツの軽自動車から普通車への移行組みが4,500台/月ほどあり、その内3列シートへの乗り換え組みというのが27%ある。この方々には、軽自動車が持つコンパクトカーのよさはそのままに3列シートが必要というニーズがあり、決してミニバン3列シートが欲しいワケではない。
ならば、ブーンをベースに作れるのではないか?ブーンなら派生系にCooもあることだし、十分いけるのではなかろうか・・・、というものだったから。小型車に特化したメーカーだからこその、発想から生まれたクルマなのだ。