スバル レガシィS402ワゴン 試乗レポート
Text:岡本 幸一郎 photo:吉澤 憲治(編集部)
ドライバーにとって気持ちいいと思えるものは何か?
STI(スバルテクニカインターナショナル)では、これまでもレガシィやインプレッサをベースに、「S」を冠したスペシャルモデルを開発し、限定販売してきた。モデル末期のBL/BP型レガシィのファイナルを飾るべく、STIが「究極のグランドツーリングカー」を目指し開発した「S402」の登場から半年あまり。ここであらためてその真価を探りたいと思う。
内外装のモディファイは一目瞭然だが、S402の醍醐味は、むしろ見えない部分の変化にこそある。
専用の2.5Lターボエンジンに組み合わされるのは、専用の6速MTのみ。シャシーにも手の込んだ専用のチューニングを実施。その他、メカニズム面において次頁以降で述べるような、多岐にわたるチューニングを施している。そこには、名声を博した先代インプレッサがベースの「S203」「S204」のノウハウを活かした部分もあれば、6年前の先代BE/BH型レガシィをベースとする「S401」と共通する要素もある。
S402が、わずか402台の販売という少量生産車でありながら、ニュルブルクリンクやアウトバーンで走りを鍛えたというのも、このクルマにかけるSTIの思いを物語る。このS402は、コストを度外視して生まれたクルマである。とはいえ、価格はワゴンが549万1,500円、セダンが535万5,000円と、それなりに高価。2.0GTスペックBに対して200万円以上高くなっているわけだが、それに十分に見合うであろう価値を身につけていることを、以下よりご理解いただけるのではと思う。