スバル レガシィS402ワゴン 試乗レポート
その運動性能と乗り心地にSTIの極意を知る
専用のツインスクロールターボに専用ECU、吸排気システムを組み合わせた2.5Lボクサーエンジンは、最高出力285ps/5,600rpm、最大トルク40.0kgm/2,000-4,800rpmを発生。
このスペックは、アウトバック2.5XTに搭載される同じ2.5Lターボをだいぶ上まわる。とくに、2,000〜4,800rpmという幅広い領域で最大トルクを発生する点に注目だ。
実際、2,000〜4,000rpmあたりは2Lよりもかなりトルクフルで、さらに踏み込めば、過給による盛り上がり感の加速を味わえる。2Lとは段違いの速さを体感させてくれる。
足まわりやメカニズムにも注目だ。専用チューニングを施したビルシュタインダンパーに、STI製スポーツスプリングを組み合わせ、タイヤも専用チューンのRE050Aを履く。リアサスリンクの要所をラバーブッシュからピロボールブッシュに変更したことも大きなポイント。さらに、評価の高いフレキシブルタワーバー/ロアアームバー/フロアバーを前後に装着している。やはりS402は、こうした影の部分こそ興味深い。
ブレーキも、フロント6ポット/リア2ポットの対向キャリパーを持つ高性能ブレーキシステムを与えるなど、向上した動力性能に相応しい制動力の確保を図っている。走ると、まずは拍子抜けするほど乗り心地がいい。そして、バネ下が軽く、よくストロークする足まわりのおかげで、路面とタイヤが常に最適にコンタクトしている感覚がある。
クイックレシオのステアリングは、標準のレガシィよりもビシッとした直進安定性があり、切り込めばハイレスポンス。コーナリングでは、内輪が浮くことなく、外輪の高いグリップでグイグイと曲がっていく感覚。このあたり、標準のレガシィよりも「攻めた」側面でもあり、標準のレガシィとはずいぶん印象が違う。常にその走りは一体感に満ちている。
本領を発揮するのはハイスピードコーナリングだろう。グリップの限界を超えてもゆっくり流れ、動きが読みやすいので、まったく恐怖感を覚えることなくマシンコントロールできる。
懐の深いブレーキも、連続したハードブレーキでもネをあげることはなさそうだし、薄皮一枚のような操作にも的確に反応し、コントロール性にも優れる。
とにかく、ひとつひとつが極めてリニアに、丁寧に仕上げられているのだ。