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新カテゴリー”SAV”への挑戦 |
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BMWは2000年のX5を皮切りに、7シリーズ、5シリーズのセダン系、6シリーズ、Z4のスポーツ系など次々と次世代ニューモデルを市場に投入してきた。これらニューモデルの市場での反応は好評で、BMWは“元気のある”メーカーになった。こうなると、新車計画は、“イケイケ”ムード。新しいカテゴリーへのチャレンジも積極的になってくる。
X3はそのネーミングのとおり、X5の弟分として企画されたSAV(BMWはSUV=スポーツ ユーティリティビークルをスポーツアクティビティビークルと表記している)。ボディサイズはX5と3シリーズツーリングワゴンの中間サイズ。スタイリングはBMWの新しいマスク、リアはX5と同じコンセプトだが、ハネ上がった小さめのリアサイドウィンドと、バンパーからフェンダーをブラックトリムにしたところが、力強さを表現、実車はかなり締った印象になっている。
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オン・オフ問わず安定したハンドリングを実現する
4WDシステム”XDrive” |
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X3のメカニカルな部分は興味深い。まずサスペンションコンポーネントだが、フロント部分は3シリーズツーリングのサスを用いている。リアはX5のものを流用している。4WDメカは、XDriveと名付けられた新開発のメカ。これはオフロードだけでなくオンロードでの操安性も高める4WDシステムだ。X3の基本はフロントエンジン、リアドライブのFR方式。これに前輪駆動用のドライブシャフトを追加した。駆動力の配分はFRが基準。路面の状況によって前後輪への配分を電子制御する。特筆したいのは、前後輪の重量配分。なんと50対50に近い配分を実現しているのだ。このためにバッテリーを後部に移すなどの手法が採られている。エンジンはBMWのこだわりである直列6気筒。2.5Lと3.0Lの2タイプ。ミッションはマニュアルシフトモード付の5速ATが組み合わされる。 |
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心地よいエンジンサウンド、スムーズなシフトアップ |
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試乗したのは3Lモデル。5速ATのDレンジを選択して走り出す。直6エンジンはアクセルオンでのうなり音は発するが、一度走り出すと、5000回転でも耳ざわりな音ではない。トルクは3000回転でから盛り上がり、一気に6500回転まで上昇する。6000回転までは実にスムーズに吹き上がる。ちなみに6000回転まで回すと1速60、2速で100km/hに達してしまう。5速ATはシフトショックもない。マニュアルモードにしてもシフトはスムーズだ。サスペンションのセッティングは、スポーティモデルとしては、乗り心地にふったセッティング。コーナーでのロールはしなやかだがやや大きめ。S字コーナーでは若干のゆり戻しも発生する。重心もやや高めだ。オフロードでは路面の状態により、上下動はやや大きめに反応する。オン、オフロードともに、あまりガンガン走るタイプのクルマではないようだ。
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乗用車的なので、ロングツーリングでも使い勝手良し! |
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スペックほどに大きく感じないボディサイズは、日本の道でももて余すことはない。X5は大きく、高価だし、3シリーズツーリングではやや狭い、というユーザーにはとても魅力的なクルマだ。性格は、乗用車的なので、ロングツーリングにもよいだろう。エンジンは2.5Lと3.0Lの2タイプあるが、動力性能で選べば、3Lになる。しかし、直列6気筒エンジンのスムーズさと、軽快さを味わいたいのならば2.5Lエンジンのほうがバランスがよさそうだ。価格は2.5iと3.0iは60万円の差がある。装備の違いはホイールサイズなどだ。乗り心地を重視したセッティングということで、走り屋はオプションのスポーツサスペンションを含んだスポーツパッケージに目がいく。しかし、BMWのスポーツサスは日本の道にはハードすぎるので、あまりすすめたくはない。ノーマルサスで楽しみたい。
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主要諸元 |
X3 2.5i |
全長×全幅×全高(mm) |
4565×1855×1675
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ホイールベース (mm) |
2795 |
車両重量(kg) |
1760 |
エンジン種類 |
直列 6気筒DOHC |
総排気量 (cc) |
2493 |
最高出力(SAE NET)
(kW[ps]/rpm) |
141[192]/6000 |
最大トルク(SAE NET)
(N・m[kg-m]/rpm) |
245[25.0] /3500 |
燃料タンク容量(L) |
67 |
サスペンション(F/R) |
ダブル・ジョイント・スプリング・ストラット
/セントラル・アーム |
主ブレーキ(F/R) |
ベンチレーテッドディスク/ベンチレーテッドディスク |
タイヤサイズ |
235/ 55 R17 |
価格(万円)※消費税込 |
513.0 |
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