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『2・5i』と『3・0i』という2タイプの日本仕様のX3が搭載するのは、3シリーズやZ4等すでに他のモデルに積まれて定評ある2・5リッターと3リッターの直列6気筒DOHCエンジン。そのパワーを最新の電子制御4WDシステムを介して4輪に伝える……というパワーフローは冒頭にも述べた通りの事柄。ちなみに、電子制御式の多板クラッチを巧みに用いて前後輪へのエンジントルクを自在に配分するこの“Xドライブ”のユニットは、兄貴分であるX5に用いられているシステムと基本を共にするものだ。 |
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Xドライブと共に他の乗用車系モデルにはないSAVならではの装備が“HDC”。ヒル・ディセント・コントロールというその名が示すように、このシステムは急な坂道で威力を発揮する最新テクノロジーを駆使した電子制御ディバイス。コンソール上のスイッチを操作しシステムを作動させると、勾配や路面状況に拘わらずまずは8km/hという微低速を目指して下り坂での車速を自動的にコントロール。さらにステアリング・ホイール上に設けられたクルーズコントロール用の車速増減スイッチを操作すると目標スピードを6〜25km/hの範囲内で任意に設定する事が可能となり、従来であれば特殊なテクニックが要求される滑りやすい急勾配の降坂を誰にでも安全に行えるようにサポートする。 |
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その他のボディやサスペンション、ステアリング・システム等の構造は、いずれも常用車系モデルに対して大きく異ならないものを採用。すなわち、基本構造は乗用車系モデルと同様。その上で前述のような最新の各種電子ディバイスとアプローチ・アングルやディパーチャー・アングルなど大きな対障害角を備えたボディ・デザインを用いて優れたオフロード走破性を確保する、というのがこのクルマの基本的なクルマづくりの考え方と受け取って良いだろう。 |