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別格の高性能が与えられたモデルのみに冠せられる“S” |
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アウディ Sモデルのスタートは1980年代にまでさかのぼる。当時のWRC(世界ラリー選手権)に出場していた「スポーツクワトロS1」が第1号だ。本格的にSモデルを展開しはじめたのは90年代に入ってから。通常の生産車をベースに、Sモデルを追加したのだ。A3はS3、A4はS4、A6はS6、A8はS8という具合になる。
その手法は1クラス上のエンジンをボンネット下に押しこむというチューニングが特徴。
例えばこのS4は通常A4が直4かV6エンジンに対し、V8の4.2Lエンジンを搭載している。新開発のコンパクト軽量エンジンに新開発の6速ティプトロミッション。もちろん駆動方式はフルタイム4WD(クワトロ)だ。 |
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そのスペックはピュアスポーツカーをも上回る |
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S4は4ドアセダンとステーションワゴン(アバント)が用意されている。
セダンは左ハンドル、アバントは右ハンドルという設定だ。これはセダンユーザーはマニアックな人が多いので、左ハンドル。アバントはファミリーでも使いやすいようにということで右ハンドルを設定したからだ。ミッションはステアリングシフト付の6速AT。
エンジンはV8、4.2L。344馬力の最高出力と41.8kgmの最大トルクを発生する。
コンパクトなボディは車両重量が1820s(アバント)だが、パワーウェイトレシオは4.8s/psになる。これは、例えばホンダNSXのAT車よりもはるかに上の数値なのだ。
ボディ外観はノーマルのA4とあまり変わらない。ヘッドライトやタイヤの太さが違うのがわかる程度。室内はレカロ製シートが前後席に用いられているほか、パネルも専用になる。つくりのよさはA4から同じだ。 |
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レーシングカーに匹敵するスムーズかつ圧倒的な加速力 |
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S4モデルの走りの魅力は、まず圧倒的な加速力だろう。
NSXのAT車よりも速い加速タイムは、スタートから100km/hまでを、メーカー発表値は5.6秒。実際に公道上で計測してもDレンジで6秒台を記録した。
スタートからアクセルを踏みこむと、このV8エンジンは軽々と6800回転まで上昇して、シフトアップする。1速70km/h、2速で100km/h、3速だと150km/hだ。かなり速いが、スムーズに加速し、ハンドルも安定しているので安心感がある。
しかも4000回転をオーバーすると「クォーン」というレーシングエンジンにも似た音を発する。
レーシングカーといえば、S4のミッションはハンドルの裏側にレバーがあるパドル式でもシフトできる。このシフトは左がシフトダウン、右はアップだが、このパドルのシフトストロークがかなり短く、しかもシフトのつながりが「ドンッ」というダイレクト感がある。このフィーリングは昨年テストしたF1マシンに似ている。ル・マン24時間レースに「アウディR8」で出場した荒選手によるとR8と同じフィーリングだそうだ。 |
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A4のカタチをしたスーパースポーツモデル |
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S4モデルはスーパースポーツモデルだ。アバントはスーパースポーツワゴン。
V8、4.2Lエンジンのパワーとトルクはアクセルを踏みこめば凄いが、ふだんの町乗りでは、スポーツのそぶりも見せずに走ることもできる。4000回転以下のエンジン音はA4と同じように静かだ。
スポーツチューンしたサスペンションも235/40R18タイヤも、町乗りではやや上下動が強めという感じで、ゴツゴツした動きはない。
ハンドルもやや軽めの操舵力なので、駐車するときも、力を必要としない。
もちろんアバントなので、リアのラゲッジスペースは広い。
「今度、アウディのA4アバントにしようか。車両価格は379万円だから」といって、大蔵大臣をまるめこんで、S4アバントを購入。ふだんは大蔵大臣が乗り、夜や休日は本人がガンガン走り、ストレス解消。そんな夫婦を知っている。
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主要諸元 |
S4 Avant |
全長×全幅×全高(mm) |
4585×1780×1435
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ホイールベース (mm) |
2645 |
車両重量(kg) |
1800 |
エンジン型式 |
水冷V型8気筒DOHC |
総排気量 (cc) |
4163 |
最高出力(SAE NET)
(kW[ps]/rpm) |
253(344)/7000 |
最大トルク(SAE NET)
(N・m[kg-m]/rpm) |
410(41.8)/3500 |
燃料タンク容量(L) |
66 |
サスペンション(F/R) |
4リンク /トラペゾイダル |
主ブレーキ(F/R) |
ベンチレーテッド・ディスク |
タイヤサイズ |
235/40R18 |
価格(万円)※消費税込 |
821.1 |
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