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アルファードの姉妹車として登場したヴェルファイアは、アルファードの「上品」に対し、こちらは「力強さ」と、方向性が差別化されている。2段積みヘッドライトや、大きなグリルによる押し出しの強いフロントマスク、そしてクリアテールレンズを与えるなど、若い男性ユーザーが好みそうなルックスである。取材車両の3.5Z“Gエディション”はエアロ系グレードで、スタンダードモデルよりもスポーティイメージが強調されている。
現行エスティマと共通となったパワートレインは、3.5L V6+6速ATと、2.4L直4+CVTという組み合わせで、全グレードでFFと4WDが選べる。
すでにトヨタの多くの上級車種に搭載されている3.5Lの2GR型ユニットは、全域トルクフルで、高回転域でも軽やかに吹け上がり、滑らかなフィーリングを持つ。その洗練ぶりは、評判の高いホンダの3.5L V6をもしのぐものがある。
静粛性もかなりのレベル。空力を追求し、遮音・吸音材の採用部位を増やし、フロントウインドウの合わせ目にも新たに吸音材を採用するなど、高度な技術を用いており、それらが確実に効いていると思う。
走行性能全般も改善されており、低床化が効果を発揮している。初代よりも足まわりが固められ、ロールを抑えた乗り味となった。しかも、ボディ剛性の向上やブッシュ硬度の最適化などにより、乗り心地は悪くない。たとえば現行エスティマに比べても、後席の快適性はだいぶ上となっている。
ブレーキについても、前後バランスが適正化されたことで、4輪で制動する感覚となり、コントロール性も向上している。人を乗せるミニバンとして、ありがたい進化である。 |
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