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2004年の一部改良で、それまで「乗り心地が硬すぎる」と不評だった2.0GT
spec.Bの乗り心地が大幅にマイルドになった。そうなると存在意義として行き場を失ってしまったのが2.0GTというグレード。ところが今回、晴れてspec.Bに6速MT仕様が設定され、通常のGTと
spec.Bでエクステリアも明確に差別化されたことで、両モデルのキャラクターが明快になった。
エクステリアは、レガシィ全体の共通の変更点として、ボンネット、前後ランプおよびバンパーまわりが連続した一体感のある形状となり、フロントグリルの外枠がクローム化され、ドアミラーのデザインも変更された。
2.0GTでは、ウイングスグリル、開口部を広げてフォグランプまわりにブラックのエクステンションを配したフロントバンパー、伸びやかな6本スポークタイプの17インチホイールなどの採用が特徴的なポイントだ。
■質感、機能性のさらなる向上を図るための改良
インテリアは、質感、機能性を高めながら、安心感のある室内空間の演出を図るべく改良が施されている。 レガシィ共通の変更として、パッと見では、センターコンソールまわりの意匠が変更された点が一目瞭然でわかる。ATセレクター(MT車はシフトブーツ)を囲むフレームおよびカップホルダーを丸型リングのモチーフを連続させた、統一感あるデザインになった。SI-DRIVE搭載車では、ここに切り替えを行なうセレクターが設定される。
ダッシュボード中央には航空機の翼をモチーフとした金属調パネルが配された点も新しい。
また、運転席&助手席のシート座面形状が少し変更され、乗降しやすく座り心地のよいものとなった。オーディオパネルはブラックに統一、メーターパネルの文字盤もブラックになり、メーター文字の意匠や文字も変更されている。
ステアリングホイールはよりスポーティなデザインに意匠変更され、SI-DRIVE搭載車には右下に「S#」スイッチやマルチインフォメーションディスプレイの表示を切り替えるステアリングスイッチが設定される。また、AT車のマニュアルシフトを行なうスイッチに代えて、新たにパドルシフトが採用された。
あらためてツーリングワゴンの室内や荷室を見ると、レガシィが評価されている理由が再認識できる。スペース的にも十分な広さが確保され、使い勝手にも不満はない。居住性に関するB4との違いは、リアシートがリクライニング可能となっている点が挙げられる。
■国産ステーションワゴンで唯一の「勝ち組」
2Lターボエンジンは、デュアルAVSのバルブタイミング変更、カムプロファイル最適化により吸排気効率を向上。また、燃焼室および排気ポートの形状変更により燃焼効率と排ガス性能の向上を図っている。さらに、TGV(タンブルジェネレーテッドバルブ)の採用や、
ターボチャージャー形状の変更で、より低い回転数でトルクを発生するよう低中回転域のトルク向上を実現している。排ガスレベルはU-LEVを達成。
このところ国内市場ではステーションワゴンというカテゴリーが低調となる中で、レガシィは唯一といえる存在感をアピールし続けている。 余談だが、我々の業界のカメラマンはレガシィの愛用者が実に多い。この世界に身をおいて、それなりにクルマを見る目も肥えているであろう彼らが積極的にレガシィを指名するのは、やはり相応の理由があるとみるのが順当だろう。
雨の富士スピードウェイを試乗した限りでは、レガシィの本命はやはりワゴンにあると感じさせられた。後述するB4のほうが運動性能が高いのは事実だが、ワゴンのほうがこなれた印象を受けたのだ。
今回のマイナーチェンジで、内外装や走りが洗練されるとともに、各グレードの位置付けがより明確になった。レガシィのツーリングワゴンは、高性能ワゴンとしても、1台の“便える”ワゴンとしても、日常の足としても、いずれも期待に応えるモデルが用意されている。
中でも本命は、レガシィの「顔」でもあり、ようやく待望の6速MTがラインアップされた2.0GT spec.Bだろう。あるいは、これで積極的に選ぶ理由が生まれた2.0GTという選択肢も悪くない。
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