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spec.B系は、より精悍でスポーティであることをテーマに意匠変更。
フロントグリルには緻密で立体感のあるハニカムタイプを採用。フロントバンパーはフォグランプのエクステンションをフロントグリルと同様のハニカムタイプのデザインとし、エクステンション全体を幅方向に拡大、バンパー下部に抑揚をつけた力強い造形となった。ヘッドランプ内のエクステンション部にはブルークリアの着色が施された。
B4のリアコンビランプは天地寸法を短縮し、ワイド感のあるリアデザインに変更。コンビランプ下部にメッキモールが追加された。リアバンパーはリアコンビランプ下部から連続したなめらかな表面形状としなり、一体感が向上。バンパー左右にはエアアウトレットタイプのカバーが装備された。また、メーカーオプション選択によりリアフォグランプを内蔵。spec.Bに与えられる18インチのアルミホイールは10本スポークタイプに変更された。
■1台のセダンとしての魅力を十分に備えたB4
大まかな変更点は前述のツーリングワゴンと基本的に同じ。3.0R系および2.0GT系に「SI-DRIVE」が装備され、これによるモディファイが行なわれている。
レガシィというとツーリングワゴンのイメージが強いが、3代目レガシィにおいてセダンが「B4」とネーミングされてから、セダン比率がかなり高まった経緯がある。
事実、1台のセダンとしてみてもB4のレガシィとしての実力は十分に高い。ツーリングワゴン譲りの室内空間は、やはり弟分のインプレッサに比べるとかなり広く、落ち着き感あるたたずまいとなっている。
エアコンについては、3.0R系と2.0GT系では左右独立温度調整機構が備わり、最上級の3.0Rには後席ベンチレーションも装備される(ツーリングワゴンも同じ)。
レガシィの中で、ツーリングワゴンではなく、あえてB4を選ぶユーザーは、まず「セダンであること」を重視したと思われるが、B4はセダンに求められる機能についても十分満足に満たしているといえるだろう。
■1台のセダンとしても積極的に選ぶ理由の多いモデル
3Lの6気筒エンジンは、可変バルブリフトのカムプロファイル変更、吸気バルブ、排気バルブ、のカム作動タイミングを最適化することで、ピークトルクこそ変わらないものの、低中回転域で1kgm程度のトルク向上を実現している。さらに、排気ポート、エキゾーストパイプの形状を変更するなどして排気抵抗の低減を図っている。排ガスレベルはSU-LEVを達成。
セダンに乗ることが、これほど特別なこととして認識されるような世の中になるとは予想もできなかったが、それだけにクルマのほうにもハイレベルな「売り文句」が要求されるようになった。
近年のセダン人気は輸入車とクラウンに絞られたといっていい状態。非常にブランド力が問われるカテゴリーだ。新入りのフーガがあれだけの内容を持ちながら苦戦しているくらいだ。そんな中、絶対数としてはそれほどでもないが、B4は堅調に売れている。
B4は1台のセダンとしても積極的に選ぶ理由の多いモデルだ。毅然としたセダンスタイルは、あらためて見るとなかなかスタイリッシュ。そして、シンメトリカルAWDによる全天候対応の走行性能は他のセダンには見られない。また、今や貴重なMT車も充実のラインアップを誇る。
実際、ワゴンボディよりもセダンボディのほうがボディ剛性や車両重量の面で有利となるのは間違いない。実際に同じ条件で運転してみても、より一体感が高く、軽快な印象を受けた。
ただし、全体の走りのバランスの煮詰めに、よりこなれた印象を受けたのはワゴンのほうだった。 |
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