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SUVテイストを追求したアウトバックでは、さらに力強さと上質感を演出すべく、各部のディテールを変更。前述と共通の変更点のほか、専用のエクステリアパーツが一新された。
フロントバンパーはフードから連続するなめらかな表面形状となり、一体感と上質感が向上。フロントグリルはボンネットフードから連続した表面形状となり、横基調をアクセントとするルーバータイプを採用。アルミホイールは独特のスポーク形状を持つ力強いデザインとなった。
ホイールは「L.L.Bean EDITION」では専用のガンメタリック塗装が施される。
■最低地上高200mmがもたらした新たな価値
最低地上高が200mmとなり、通常のツーリングワゴンに比べて約50mm高くなっているため、乗降性において、小柄な女性ユーザー等にとって少しハンデとなってしまうのは事実だろう。逆にドライビングポジションをとると、アイポイントが高くなるので見晴らしがよく、運転しやすく感じられる。
また、アウトバックのみセルフレベライザーが装備されるので、人や荷物をたくさん乗せる機会の多いユーザーにとってはオススメである。 アウトドア向けの装備を充実した「L.L.Beanエディション」は、アウトバックにさらなる付加価値をもたらすモデルとして注目したい。
■上品でワイルドな感覚で本家に迫る勢いの人気
エンジンについては、3.0Rの3Lの6気筒エンジンは前述のとおり。意外なことに、2.5iの2.5Lエンジンが、今回それぞれエンジンが進化した中で、もっとも上がり幅が大きい。これは、海外向けを含むと同エンジンがもっとも生産台数が多く、そこに施された改良を国内向けモデルにも施したことによる。
改良内容としては、まず、可変動弁機構「i-AVLS(i-Active Valve Lift System)」を採用し、エンジンの稼動状況に応じ、片側の吸気バルブのリフト量およびバルブ開角度を切り替えることで、出力特性、燃費性能、および排出ガス性能の向上を図った。さらに、エアインテークパイプおよび吸気チャンバーの形状変更により出力向上を図り、エキゾーストマニホールドに同エンジンも待望の等長等爆式の4-1集合式を採用。「i-AVLS」との相乗効果で、出力性能、排ガス性能の向上を図ったというものである。排ガスレベルはSU-LEVを達成。
SUV人気の表れか、アウトバックは本家のレガシィに迫る勢いで売れている。走りにおいては、高められた最低地上高により、もともとレガシィが持つ優れた走行性能にプラス、より高い悪路走破性能を身につけている。
とはいえ、アウトバックの人気の要因は、走りへの期待よりもルックスにあるのではないかと思う。通常のレガシィよりも高くなった車高と、差別化されたバンパーやフェンダー、フォグランプ、大径タイヤなどによる、上品でワイルドな感覚が受けているのだろう。
もともとツーリングワゴン少し上級に位置付けられるアウトバックは、上に3Lの6気筒エンジン搭載車と、その下に2.5Lエンジンがラインアップする。この2.5Lエンジンは日本国内では唯一の設定となっているが、世界的にみると最量販のエンジンである。いささか2L自然吸気エンジンとの組み合わせにミスマッチを覚えるようになった現行レガシィだが、ターボや6気筒は不要だが、2Lでは不満という人が、この2.5Lエンジンを手に入れるために2.5iを選ぶというのもアリだろう。とはいえ、予算さえ許せばSI-DRIVEを備えた3.0Rをチョイスしたいのが本心には違いないが…。
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