ジャガー XFR 海外試乗レポート
最新のものが最良のジャガー
もし、一つだけ改善を要求するとすれば、ステアリングがとても軽いことだろう。これは悪いことではないが、ステアリングを切り始めの応答性が良くロールも素直なため、馴染むまで切り過ぎる傾向にあった。といって、それでクルマが不安定になることはないのだが、加速時の後ろ荷重状態ではその傾向が顕著だった。さて、ジャガーがそれまでのフォード傘下からインドのタタモーターズ傘下に移った昨年、XFはデビューした。モナコでの試乗会でそのことをエンジニアに尋ねたとき、タタモーターズからはプレミアムブランドとしての位置づけがハッキリしているので開発予算も縛りが少なくなってやりやすい、と眼を輝かせていたのが印象的だった。
それを思い出すと、今回のXFR、いやXFそのものの進化がまるでポルシェのように「最新のものが最良のジャガー」と言わんとしているかのようだ。いたるところに英国製のクルマの匂いがし、ポリシーが伺えるのだ。
ライバルとは明らかに異なるラグジュアリーでスポーティーな味付け。それは、明らかにニッチマーケットに特化したクルマ作りを目指しているということではないだろうか。価格はまだ正式な発表がないが、アストンマーチンのようなスペシャルプライスではない。
発売は6月以降とのことだが、早く日本で乗ってみたい。