ジャガー XFR 海外試乗レポート
新開発 V8スーパーチャージドエンジン搭載
XFRの外観特徴は、冷却効率を重視した大きな開口部のフロントエアロと、“SUPERCHARGED”の文字が刻印されたボンネットルーバー。エキゾーストはリア4本出しだ。その新開発の直噴式V8スーパーチャージドエンジン。製造はフォードのブランチが担当するが、設計から開発のほとんどを、ジャガーのエンジニアによって行なわれている。気筒内に直接噴射するインジェクターには、150barの圧力でガソリンが送られる。エンジンのVバンクの隙間に装着されるスーパーチャージャーは、イートン社製の第6世代ツインボルテックスシステム(ルーツ式)。と言ってもなんだか分からないだろうが、2本組み合わせたアルミ製4枚羽のスクリュー型ローターを、対抗回転させて圧縮空気を作り出している。このシステムの高効率などで、旧型4.2L+スーパーチャージャーの426ps/560Nmに対して、5.0Lエンジンは510ps/625Nmの高出力を誇る。
今後導入されるNAエンジンも、この5.0L V8直噴エンジンに取って代わる予定。やはり、燃費と環境性能に優れるのだ。
トランスミッションは、ジャガーがATでは世界一速いシフトを誇る6速ATだ。もちろん、パドルシフトを装備する。
テクニカル面でのトピックスは、アクティブ・デファレンシャル・コントロールが採用されたこと。これはフェラーリなどにも採用されるいわゆるEデフで、0〜100%の間でデフのロック率をアクセルのON/OFFに関係なくコンピューター制御で可変させる。これに、可変ダンパーのサスペンションが協調して、アンダーやオーバーステアーをコントロールし、トラクションもよりかかるようになっているのだ。
このEデフを装備することでデフケースのマウントが1つ増え、クリアランスも変更されたので、リヤサブフレームを新設計している。