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ブーメラン型のヘッドライトや、凹面形状としたリアウインドウなど、個々の部位にも特徴的だが、ボディパネル全体の印象も、写真で見るよりも実車はずっと抑揚あり、表情豊かである。
今回の中で唯一シックスライト(リアサイドウインドウの後方にさらにウインドウを設けた)を採用しており、視界にも非常に優れる。
2機種のエンジンおよびトランスミッションは、103kw/200Nm の2L直4に4速AT、155kw/290Nmの3L V6には6速ATが組み合わされ、駆動方式はFFのみとなる。
せっかくC5を買うのであれば、ぜひ3L V6を選ぶべき。価格差を補ってあまりあるテイストの違いがある。
油圧式サスペンション「ハイドラクティブV」による足まわりは、シトロエン独特の浮遊感があり、まるで路面の凹凸を、なかったことにしてしまうかのような感覚。この乗り心地をひとたび味わうと、はまる人も多いというのもうなずける。
スポーツモードにしても、予想したほど固くはならず、乗り心地の快適性をある程度保ったまま、ロールやピッチングの振幅を適度に抑える。ワインディングや高速道路をそれなりのペースで走る際のハンドリングに期待するのであれば、こちらのほうが好ましいだろう。ステアリングフィールも独特の感覚で、操舵力が軽い中にも接地感があり、深い舵角を与えても、タイヤはしっかり路面に追従する。
全体として、兄貴分のC6よりもまとまりがよく感じられ、見た目も乗り味も、ドイツのDセグ車に太刀打ちすることを意識したと思わせる仕上がりである。
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