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ティアナに求められるのは、Lクラスセダンとしての快適なクルージング。すなわち、滑らかな加速感とスムーズな変速、心地よい静粛性、余裕の性能だ。なおかつこのクルマは、中国をはじめとするアジア地域においても販売され、04年度末までには100万台の販売増を狙う世界戦略車でもある。新開発のメカニズムがふんだに採用されていても不思議ではない。
エンジンは3種類。主力は可変吸気システム(NICS)、連続可変バルブタイミングコントロール(CVTC)を採用して実用域のトルクにこだわった新開発の2.3LV6だ。ミッションは4速ATと組み合わされる。170kwのパワーを誇る3.5LV6は、世界初の大排気量FF用エクストロニックCVTとの組み合わせが見逃せない。生活四駆である4WDモデルは、価格を安価に抑えるために2.5L4気筒を搭載している。排出ガスレベルは、すべて三ツ星の「超−低排出ガス」認定だ。
足回りはフロントが熟成を図ったストラット。リヤはステージアのサスペンションをヒントにした新開発のマルチリンクを採用する。特徴は、室内への出っ張りを少なくするために、ショックアブソーバーとスプリングを別置きにしていること。このおかげで、FRに近い乗り心地とリヤの追従性が得られるのだ。しなやかな走行フィールに期待が募る。コントロールセーフティのひとつであるVDCは3.5Lに標準装備、2.3Lにオプション装着できる。4WDシステムは、路面状況や車速に応じて後輪に最適なトルク配分を行なう「オートトルクコントロール(ATC)カップリング」だ。
ティアナの自慢は、ロングホイールベースにもかかわらず16インチタイヤ装着車で5.3mの最小回転半径を実現したこと(17インチ装着車は5.7m)。FRのローレルは5.1mだったが、小回り性や取り回し性はグンと向上している。
「低迷」と言われるセダン市場で、ティアナは年間2万5000台の国内販売を目標としている。225〜319万円という想像以上に安価な価格設定でどこまで販売台数を伸ばすかが楽しみだ。
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