無駄な贅肉を削ぎ落とした、逞しいスタイリングを披露するフェアレディZやティアナを男性的なプロポーションと表現するなら、ティアナは見るからに女性的なプロポーションだ。グラマラスでも、セクシィでもないけれど、欧州志向のウェッジテイストと日本の主流であるホリゾンタルをバランスよくミックスしたカタチは、魅力的な安心感を放っている。
最も美しさを感じさせるのは、やはりサイドビューだろう。「カンナで削ったような」ボディサイドの面構成が、厚み感や重たさを和らげている。特徴は、開放感のある6ライトウインドーとロングホイールベース&大径ホイールアーチ。ボディをより低重心に見せるためにクロームモールが配されている。
フロントマスクは、ダブルアーチをモチーフにした大型グリルと縦2段式ヘッドランプが凛々しさを醸し出す。トランクフォルムのリヤビューは、品の良さと高級感が伺える。
このティアナのスタイルに抱く印象をひと言でいうと「安心感」。クルマ好きの男性は物足りなさを感じるかもしれないが、ターゲットユーザー層や30代の女性には好感度が高い気がする。存在感をドーンと主張していないことが、心地よさにつながるのだ。全体的に光モノが散りばめられているが、横桟フロントグリルとサイドウインドー回りのクロームモールはダーク調でもよかったように感じた。
塊感のせいかティアナはボディが大きく感じるけれども、実際のサイズはローレルとセフィーロの間に位置する。ライバルのマークIIに 対しては、全長/全幅/全高ともにそれぞれ3mm/5mm/15mmプラスとなる。
ボディカラーはシルバー系が2色とホワイトパール、ブラック、水色に近いブルー、小豆色のボルドーレッドの6色。40〜50代のユーザー層と高級感の演出による選択なのだろう。アクティブな女性に似合うボディカラーも欲しかった。
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