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 高級家具のようなインストルメントパネル、サイドテーブルのようなセンターコンソール、贅沢なソファーのようなシート。「インテリアでクルマを選ぶ時代」を提案するテレビCMからもわかるように、ティアナにはモダンリビングを思わせる空間デザインが採用されている。しかも従来の手法といえた欧州の香りを注ぎ込むのではなく、日本人が落ち着ける“和の良さ”を盛り込み、日本的高級感を加味しているのだ。

 ティアナの室内に乗り込むと、確かにこれまでのクルマの概念がくつがえされる気がする。それだけ斬新かつ新鮮、個性的なインテリアが与えられている。逆に言えば、Lクラスセダンとしては珍しくデザインを最優先した作りなのだ。

 目を引くのは、木目を大胆に取り入れたこと、フラットなインパネフード、座椅子をイメージしたシート形状だろう。運転席に座った印象は、視界のよさも加わり、居心地のよさが広がる。後席もゆったりくつろげる空間が与えられているが、残念ながら樹脂製のフロントシートバックが圧迫感というか閉塞感につながる。膝があたったときの感触も悪く、せっかくのポケットも使いづらい。3分割された座面も座り心地のよさを損なう。柱をイメージした大型アームレストの見せ方にこだわったからだ。細かいところで、デザインを優先しすぎたデメリットを感じてしまう。

 また上級グレードの助手席に標準装備されたパワーオットマン機構も、飛行機のビジネスクラス並の快適性が得られるが発想が男性的。オプションの設定でよかっただろう。

 シート表皮は、肌触りが気持ちいい最高級スウェードクロス、ボリューム感のあるベロア、光沢糸を織り込んだ織物と3タイプ。ベーシックグレード用ではあるが、和の夏の雰囲気を持つ織物が一番好印象だった。内装色はベージュ系とグレー系。特別内装色のブルー系はホワイトパール、ブルー、ブラックのボディカラーしか選べないけれども、プラスαの費用を必要としないのがうれしい。

 ヒンジにも気を配ったトランクルームは、9インチのゴルフバックが5個も入る506L(VDA式)を確保する。ちなみにマークIIは439Lの容量だ。
 
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