日産 GT-R 2009 試乗レポート
GT-Rの価格上昇に納得出来るか否か?
GT-Rというと、ポルシェすらニュルブルクリンクでのタイムに難癖をつけたほどで、相当に意識していることは間違いない。タイムの真偽のほどについて、どんな車両で、どのようにして出したのかは、当事者でなければわからない。ただ、かつてR32GT-Rが、グループAで勝つことを目的に開発され、実際にレースを席巻したように、R35はニュルでタイムを出すことを大きな使命として、そのためにいろいろなものを調達して生まれたクルマであることはわかる。
まずは、十分な動力性能ありき。そして、最大Gでコーナリングさせるためのタイヤと、それを使い切るためのサスペション、それを支えるボディ、タイヤの能力を最大に発揮させる駆動システムと、安全に減速させるためのブレーキ・・・・・。そこには、「官能」とかドライビングプレジャーというものは、あまり必要としなかったのではないかという気もする。結果としてあるのは、無機質なまでにストイックな「速さ」である。
乗り味には、快適とはいいがたい面も多々ある。しかし、圧倒的に高性能の乗り物というのは、やはり乗れば本当にエキサイティングである。
価格の上がり幅については、人によって見方はいろいろだろうが、筆者にとっては、車両価格の1割強に値するといわれれば、納得できるものではあった。