シトロエン C4ピカソ 試乗レポート
運転の楽しさと移動の心地よさはピカソならでは
ハイドラクティブの経験を生かしたエアスプリングをリアに使う足回りは、いかにもシトロエンらしい、ふんわりした乗り心地を届けてくれる。それでいて速度を上げれば姿勢をフラットにキープする。しかもこの足回りはかなり粘ってくれるから、ロールにさえ慣れれば、正確に切れるステアリングを操り、予想以上のスピードでコーナーをクリアできる。固めなくても走りの楽しさが表現できることを教えてくれるのだ。
しかもその走りをコントロールする運転席は、路面から頭上まで一気に見えまるでロマンスカーのような眺めだ。しかも、名車DSを思わせる斜めのシフトレバーが操り手を楽しませてくれる。こちらもまたスポーティとは違うキーワードで、ドライビングプレジャーを表現している。
C4ピカソが高い評価を受けているのは、運転の楽しさと移動の心地よさを高次元で両立したからだと思う。唯一の欠点が力不足だったが、新たに搭載した1.6Lターボエンジンがそれを解消した。
たとえミニバンでも主役はドライバー。そんなキャラクターをより明確にしたマイナーチェンジといえる。