プレミアムSUV徹底比較第2弾

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　X3のボディプロポーションはロングホイールベース、ショートオーバーハング、リアに向けて緩やかに下がるルーフラインもSAVのシルエットだ。
　フロントマスクはBMWの特徴であるキドニーグリル（グリルのバーは幅が広く角張った、骨太のデザインになっている）と、片側2灯式のヘッドライト、力強いバンパーが目につく。サイドのショルダーラインはヘッドライト横のターンライトからエンジンフードをとおり、テールランプまで一本のエッジを描いている。サイドウィンドはクォーターウィンドが小さく、特徴的だ。
　また、ボディ下部はバンパーからフェンダーにかけて、ブラックに塗られ、力強さをイメージしている。
　ボディサイズは全長4565mm、全幅1853mm、全高1674mm、ホイールベース2795mm。これを他の2車（ハリアー、フリーランダー）と比較すると、全幅、ホイールベースはもっとも大きく、全長、全高は中間サイズだ。
　ちなみに、BMWのX5、3シリーズツーリングの中間サイズだが、全高はX5に近い高さになっている。
　メカニズムもフロントのコンポーネンツは3シリーズ、リアはX5をベースに独自のチューニングを施している。4WDメカも新開発だ。
　全長は短く、ホイールベースは長く、全高を抑えたプロポーションは、スポーティで走りのよさをイメージさせる。

　アメリカで大人気のSUVは、実はこのハリアーのデビューがキッカケとなって、大ブレークしたのだ。初代ハリアーがアメリカで発売されたとき、それまでのアメリカンSUV（当時は4WD）よりもはるかに乗用車的なテイストがファミリーユーザーに受け入れられたのだ。しかし、アメリカではややサイズが小柄なことが、ユーザーの間で不満要素になった。
　そこで2代目はボディを大型化したのだ。ホイールベースを100mm延ばし、2715mmに。全長、全高も大きくなった。
　このボディサイズは3車のなかではもっとも長く、もっとも高いプロポーションになった。しかし、ホイールベースはX3よりも80mmも短い。ボディサイズの割に、全長が長いというのは、クルマの前後車軸から先の部分が長いことを意味する。
　オーバーハングが長いボディは本格的なオフロード走行には適していない。急なのぼり坂や下り坂でボディ下部が路面にあたってしまうからだ。
　その点、X3はかなり短い。
　もっとも、ハリアーの場合、足回りも含めて、オーバーハングを気にするようなオフロードを走るためのクルマというポジショニングではない。メーカー自身も、あくまでも都会で、ワイルドな気分を味わいたいオーナーを対象にしている。

　ランドローバー社は、1948年のクルマづくり開始から今日まで、クロスカントリー系の4WDモデルだけを生産し続けている自動車メーカーだ。
　いまでもディフェンダー、ディスカバリー、レンジローバー、そしてこのフリーランダーだけを生産している。いずれも4WD性能は世界でもトップクラスのクルマばかりだ。
　実はランドローバーとBMWとの関係は、浅からぬものがある。
　というのも現行のレンジローバーはBMWとの共同開発だからだ。ランドローバー社をBMWが所有していたときに、レンジローバーを開発、エンジンはBMW製だ。しかし、4WDのメカニズムや電子制御のメカは、ランドローバーの技術がBMWの参考になっている。例えば、X3のヒルディセントコントロールはレンジローバーでも採用したメカだ。
　このフリーランダーをX3と比較してみると、全長、全幅、ホイールベースともにフリーランダーのほうがコンパクト。全高はフリーランダーのほうが高い。
　スタイリングは、03年10月のマイナーチェンジで、フロントバンパー、ヘッドライト、グリルが新しくなった。とくにヘッドライトはツインポケットと呼ぶクリアレンズを使用した。このレンズの採用に合わせて、バンパーも精悍になった。
　スタイリングも含めて、ワイルド系なライフスタイルを好む人に向いている。