プレミアムSUV徹底比較第2弾

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　エンジンは2種類から選択できる。6気筒2.5LDOHCは「2.5i」、3.0LDOHCは「3.0i」用だ。いずれもBMWが得意としている伝統の直列6気筒。吸排気系のとりまわりのよさを重視するBMWのこだわりの直列エンジンだ。
　そのフィーリングは、アクセルの動きに合わせて、シュンシュンと小気味よく上昇する。一気に6500回転まで軽快に伸びるのだ。
　2.5Lと3.0Lでは、トルクや力強さは3.0Lだが、バランスのよさでは2.5L。もちろん2.5Lでもパワー不足は感じないので、おすすめは「2.5i」。
　5速ATはマニュアルシフトモード付のステップトロニック。マニュアルシフトは前に押してシフトダウン、後ろに引いてシフトアップというBMW方式。慣れると使いやすいスポーツシフトだ。
　ハンドリングはやや重めの操舵力と、やや大きめのボディのロールが、重厚な感覚。コーナーでのロールは車速に応じて傾く。
　一方、オフロードでは凸凹に対して、ストロークの長いサスペンションが路面を上手にトレースする。
　オン、オフともに乗り心地がよいのだ。日常からオフロード走行まで、気軽にこなす実力を秘めている。
　新開発のXドライブ4WDをはじめ多くの電子制御メカが、あらゆる路面での安全走行をサポートしてくれるのも安心感がある。X3はオールマイティのSUVだ。

　エンジンはV6の3.0LDOHCと直列4気筒2.4LDOHCの2タイプ。3Lモデルは「アエラス」「300G」の2種類、2.4Lは「240G」で、各車種にFFと4WDが設定される。
　「240G」の場合、FFと4WDの車重の差は100㎏になる。やはり軽快さではFF車。直4エンジンは5000回転でも音の高まりは抑えられている。パンチ力は期待できないがスムーズな走りは可能。一方、3LモデルはFFと4WDの重量差は90～100㎏。こちらも4WDは、スタートからやや重め。軽快な走りならFF車だ。
　2.4L用のATは4速。それでも100km/h巡航は2000回転と低めなので、高速経済走行は可能だ。3L用は5速ATだが、こちらも100km/h巡航は1900回転と低めだ。
　ちなみに加速性能だが、2.4LFF車の0→100km/h加速は13秒台。これが3L4WDになると10秒台になる。3LFF車はさらに速い。
　ハンドリングだがオンロードでは、FF、4WDともに大差ない。どちらも素直で、コーナーではやや大きめのロールを伴なって、走り抜ける。4WDのほうがややクイックな印象だ。
　乗り心地は3L4WD車のほうがややかために感じた。
　トヨタの上級セダンと変わらないテイストは、悦びはないが、不安もない平均点のSUVだ。

　V6の2.5Lだけに絞ったエンジンは「HSE」「SE」の2グレード用。V6エンジンはハリアーほどに軽快ではなく、X3の直6よりもやや重い。それでも加速テストでアクセルを強く踏みこむと、6500回転までキッチリと回る。もう少し軽快感がほしい。
　ミッションは5速AT。マニュアルシフトモード付だ。Dレンジでもシフトショックもなく、スムーズに走る。しかし、スポーティなドライビングを望むならば、マニュアルシフトを多用したほうがスムーズだし速い。
　Dレンジでの100km/h巡航は2500回転。X3やハリアーにくらべると、巡航時のエンジン回転数は高め。エンジン音は4000回転まで静かなので、高速走行でも静粛性は保たれる。
　しかし、インテリアのスポーツ感覚のイメージなら、もう少し、走りもチューンしたいところだ。
　ハンドリングはやや重め。コーナーではきりこみに抵抗があるほど重くなる。直進性は強い。
　コーナーでのボディのロールはややある。S字コーナーでは若干のゆり戻しもある。
　乗り心地は上下動のキツさもなく、ゴツゴツ感は小さい。乗用車的な乗り心地だ。
　オフロードでもこの乗り心地のよさが魅力。悪路の走破性も高い。町中でも使えるオフロードSUVという印象だ。