ボルボ V50 試乗レポート
これからの“ボルボという選択肢”
エンジンとトランスミッションを新しくしたことで、V50の燃費は大きく向上した。トランスミッションだけでも8%くらいの向上というが、従来の2.4アクティブが9.5km/Lだったのに対し、新しい2.0eパワーシフトは11.6km/Lだから向上幅は大きい。現在の段階では日本車でパワーシフトのようなデュアルクラッチを採用しているのは日産のGT-Rと三菱のランサーエボリューションXの2車種だけ。日本ではATかあるいはCVTというのが大きな流れになっている。
CVTでもATに比べるとやや価格が高くなるが、デュアルクラッチだとさらに高くなるため採用車種が限られているのが実情。デュアルクラッチは機構的にはマニュアルトランスミッションなので、それを2組使うとはいえ、量産化が進めば価格も安くなっていくはず。将来的には日本でもデュアルクラッチの比率が高まっていくだろう。
個人的にデビューした当初のV50 2.4iに乗っているが、それに比べると今回の2.0eパワーシフトは、室内の静粛性が向上したのも印象的だった。このクラスの日本車ならもっと静かなクルマがたくさんあるから決して威張れたものではないが、従来のV5Oに比べるとずっと静かな印象だった。5気筒から4気筒になってエンジン音が静かになったし、初期モデルに比べるとロードノイズも改善されている。
最近の経済情勢を反映して輸入車販売は国産車以上に厳しい状況にあるが、新しいパワートレーンを搭載し、思い切った価格設定をしてきたボルボV50は、輸入車を買おうとするユーザーにとって大きな選択肢のひとつになりそうだ。