フォルクスワーゲン ゴルフGTIピレリ 試乗レポート
230ps/30.6kg・m+6速DSGのパフォーマンス
実は現在のVWラインアップには2Lターボエンジンが2種類あるのをご存知だろうか。ひとつめのエンジンは、現在ゴルフGTIに搭載されている従来型のAXXと呼ばれる2L TFSI。もうひとつは、パサートヴァリアントでお目見えした完全新設計となるBLGと呼ばれるものである。こちらは1.8L TSIエンジンのストロークを伸ばしたもので(シリンダーブロックは共通)、最高出力&最大トルクは同じだが中味は別物なのだ。
そして今回ゴルフGTIピレリに搭載されたのは、従来型のAXXがベース。熟成が重ねられた信頼のエンジンである。これをベースにファインチューンが図られて、230ps/30.6kgmを叩き出しているのだ。ちなみに通常のGTIは200ps/28.6kgmなのだが、この30ps/2kgmの違いは大きい!
VWゴルフGTIカップに200psのゴルフGTIで参戦し、振り回されながらもそれなりに御してきた面もあると思っている私だが、30ps上がっただけで、「操っている」→「乗せられている」に変化してしまったのだ。ズバーンといきなり勢いよく床までアクセルペダルを踏み込むと、少々トルクステアが顔をだすほどパワフルなのである。
もちろんその後はすぐさま電子制御で上手くコントロールしてくれるし、6速DSGで見事にストレスもシフトショックもなく、そしてレスポンスよく美味しいところを引き出してくれるのだが、いやはや基本は同じでもこんなに味付けが変わるとは少々驚かされたほどだった。
ちなみに6速DSGも年々進化を遂げているようで、登場した頃よりもかなりシフトショックが少なく、つながりのレスポンスもさらに向上している。すでになかなか手に入らない稀少車ではあるが、VWゴルフGTIオーナーといえども、是非一度お手合わせして欲しい1台だ。