リンカーン ナビゲーター 試乗レポート
車重は重いが、不快は感じられない走り
フルサイズのアメリカンSUVらしい、ゆったりとした乗り味をもとに、乗り心地やフットワークをできるだけ洗練させたことがうかがえる仕上がり。路面からの入力は、強固なラダーフレームで上手くキャンセルされるため、室内空間は快適に保たれる。静粛性もそこそこ高い。車重が2,730kgとそれなりに重く、重心も高いので、物理的にも「止まる」「曲がる」「走る」が得意とはいえない。しかしながら、巧みにバランスを図ったチューニングにより、いたってリラックスして乗れて、しごく安定している。後席の乗り心地では、微妙な上下振動は感じられるが、許容範囲だろう。
5.4L V8エンジンには、ZF製の電子制御6速ATが組み合わされる。フラットなトルク特性で、乗りやすく、大きな車体をものともせず引っぱってくれる。
4WDシステムは、スイッチ操作により2WDと4WDを瞬時に切り換え可能な「コントロールトラック4WD」を搭載。さらに、横転と横滑りを防止するロール・スタビリティ・コントロール付きアドバンストラックを搭載するなど、安全性の確保も抜かりはない。