オートックワン

トヨタ iQ 開発者に訊く【オートックワン インタビュー】

トヨタ iQ 試乗レポート

既報の通り、iQはトヨタが提案する新型プレミアムコンパクトカーである。
軽自動車よりも短いボディに大人3人を難なく座らせるパッケージングは見事で、トヨタはこのクルマによって今までにない新しいクラスを創造したことになる。では、そもそもトヨタが何故このiQを開発したのか。

試乗会会場となった東京・青山のレストランで、トヨタ自動車の今泉氏に話を聞いた。


iQ開発のねらいを教えて下さい。

トヨタ iQ フロントスタイリング
5年前(2003年頃)から、我々は自動車部品をダウンサイジングする研究を始めました。 技術者にとって、ものを軽く小さくつくるというのは非常にチャレンジングな試みだからです。と同時に、それは燃費の改善や排出するCO2の削減につながっていきます。自動車の材料が従来よりも少なくて済むというのも利点のひとつですね。
それらの理由から、新しいコンパクトカーを作ることが決まったのです。iQの開発が始まったのは2〜3年前。限られた室内でいかに広い空間を提供出来るかが開発のメインテーマでした。

競合車は何でしょうか?

トヨタ iQ フロントスタイリング
iQと完全に競合するクルマは無いのですが、MINIやフィアットの500あたりに近いのかなと思っています。これらのクルマのユーザーさんは、より大きなクルマをファーストカーとして所有されており、それから乗り換えても違和感のないクルマをセカンドカーに選ぶ傾向があるそうです。そういう意味ではiQもそのジャンルに入るのかなと思います。
実際、iQの室内幅や、運転席と助手席の間隔などは弊社のマークXと変わらない値になっています。普段レクサスLSやメルセデス・ベンツ、BMWなどにお乗りのオーナーさんに、街乗り用として積極的にiQを選んで頂きたいですね。

エクステリアデザインの特徴は?

トヨタ iQ フロントスタイリング
従来のコンパクトカーは、どちらかといえば可愛らしいイメージを伴っていました。女性やお子さんにも親しみやすいクルマにすることが求められたからです。 しかし私たちはiQにややコワモテ風の顔を与えました。「小さいから可愛い」という従来の発想から脱却するためです。
iQのエクステリアデザインは、タンク(戦車)に着想を得ています。小さくても、戦車のように頑丈で乗員をしっかり守るクルマでありたいという意味も込めています。先行車のバックミラーに映った姿がコンパクトカーらしからぬ表情を湛えていたかったというのもありますね。

iQのネーミングの由来は何でしょうか?

トヨタ iQ フロントスタイリング
“i”と“Q”には幾つかの意味を与えてあります。
individuality(個性)、innovation(革新)、intelligence(知性)のiと、QはQuality(品質)、cubic(立体的な)、cue(きっかけ、合図)の「キュー」の発音ですね。 これらマルチミーニングの中でも特に強調したいのが、次のようなイメージです。
iQはボディが小さく小回りが利きますから、街の細い路地にも入っていけて、そこでドライバーは、今まで知らなかった景色やお店に出会うことが出来る。i(私が)Q(cue・・・合図をもらって気付く)というわけです。ユーザーさんがiQに乗ることで新しい何かに触れるきっかけを持って頂ければうれしいですね。



トヨタ iQ フロントスタイリング
トヨタ第2乗用車センター
製品企画 主幹  今泉 一仁 氏
何とも洒落たイメージを語ってくれた今泉氏。取材中に氏が何度も繰り返していたのは「従来のヒエラルキーからの脱却」である。 トヨタはおよそ半世紀に亘って「いつかはクラウン」というキャッチコピーのもと、大きなクルマがいいクルマであると謳ってきた。

しかしここにきてiQというクルマを投入することにより、小さくても付加価値の高いクルマが成立しうるということを証明しようとしている。iQの航海は始まったばかりだが、このモデルが今後クルマ社会に与える影響は決して”小さくない”ものになるだろう。

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