かつてはV70クロスカントリーと呼ばれていたSUV感覚のモデルが、現在では独
立したシリーズとしてXC70と呼ばれるようになった。アメリカ市場ではSUVの人 気が高いため、ボルボではスバルなどとともにステーションワゴンから発展した 形の乗用車感覚のSUVを投入して新しい市場を作ってきた。
XC70の最低地上高は215mmで、少々荒れた路面であっても、それを全く苦にせ ず路面を選ばない走りを可能とする。しかもルーフレールまで含めた全高を 1560mmに抑えているので、タワーパーキングにも対応できる使い勝手を備えてい
る。さらにワイドプロファイルタイヤを履くことで、V70に比べて40mmも拡大さ れたトレッドにより、極めて高い操縦安定性を実現しているのも見逃せない。
XC70には2グレードが設定されているが、搭載エンジンは共通の2.5Lのライト プレッシャーターボ1機種のみ。これが電子制御式の5速ATと組み合わされ、上級
グレードの2.5Tではマニュアル操作が可能なギアトロニック仕様とされている。 XC70ももちろん低排出ガス仕様車として認定を受けている。
駆動方式はハルデックスカップリングを使った先進の電子制御式AWDのみの設
定。前輪がスリップすると瞬時に走行状態に応じて必要なトルクを後輪に伝達し、 安定した走りを実現する。発進から時速120kmまでの領域では電子制御式の4輪ト
ラクションコントロールも機能して安定性を高める仕組みだ。
安全装備は基本的にV70系と同じものと考えていい。衝突安全に配慮して十分 なクラッシャブルゾーンを持つ安全ボディをベースに、電子制御ブレーキ配分付 きABSやブレーキアシスト、デュアルモードエアバッグ、SIPSバッグ、IC/インフ
レータブルカーテンなど、さまざまな安全装備が用意されている。
新時代のSUVとしてボルボの可能性を広げたクルマがXC70であり、大いに魅力 的な1台といえる。
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