『中島飛行機製作所』という航空機会社を前身に持つ富士重工業が設立されたのは1953年のこと。すなわち、去る2003年というのは実はこのメーカーが創立をしてから50周年という記念の時であったものだ。それを期して、あの『スバル360』の復刻版が登場するのでは!? といった噂がまことしやかに流れたこともあった。が、残念ながらそれは実現せず。しかし、それから2年後の今になって再びこのメーカーには記録達成の時がやってきた。「レガシィの生産累計生産台数300万台突破」というレコードがそれである。
国際的に通用する第一級のモデルを作りたい――富士重工業の自動車部門であったスバルが描いてきたそんな熱い思いを具現化させるべく、1989年の2月に誕生したのが初代のレガシィ。サッシュレス・ドアを採用し、それまでのスバル車とは一線を画す"フロント/ロー、リア/ハイ"というスマートなプロポーションを持つセダンと、5ナンバーの乗用モデルに特化をする事で商用車風味を廃したワゴンは共にヒット。特に後者は、ともすると「テールゲート付きのボディはライトバンと見分けが付かない」という受け取られ方が強かった日本の市場に『ステーションワゴン』というカテゴリーを定着させた立役者として、ライバル・メーカーたちのクルマづくりにも多大なる影響を及ぼす事になったのはまだ記憶に新しい。
それからフル・モデルチェンジを繰り返す事3回。この3月に世界累計生産台数300万台を数えたレガシィは、2003年5月にデビューをした現在へと続く4代目モデルだった。そして、その現行4代目モデルにも歴代レガシィの熟成のパターンを師と仰ぐかのように、ここで再び改良の手が加えられる事になったのだ。
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