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ML350の走りのテイストは、X3のそれとは対極にあると言って良い。オフロードの走りのポテンシャルをある程度割り切ることでオンロードでの“スポーツカー的”な走りを実現させたのがX3。だが、ML350にそうした思想は感じられない。むしろ「SUVであればどんなに条件の悪いルートでも進める事が重要」とばかり、まずはしっかりとオフロード性能を確保しているのがML350という印象なのだ。
舗装の行き届いたオンロード上でX3からこのクルマに乗り換えると、誰もが「こちらは操作に対する応答のダイレクト感に欠けた、ちょっと“なまくら”な走り味の持ち主」とそう感じるはずだ。ステアリングを切り込んでも応答性は鈍く、高速直進性も今ひとつ決まらないと感が否めない。
しかし、シャープな応答性を与えると、低ミュー路上ではどうしても挙動が過敏に現れがちになる。遊びの小さなステアリングはオンロード上では問題ないが、オフロード上で大きな路面凹凸を拾うと時としてキックバックによってドライバーの指を痛めつけたりする可能性もあるのだ。
結局、X3との極めて大きな走りのテイストの違いは、こうしてそもそものクルマづくりの思想の違いにあると言える。ML350の、こうして何事にもひと呼吸を置いてから動き始めるような感覚に賛同する人ならば、日常生活のよきパートナーとなるだろう。
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前提として、オフロードでしっかり走ることを基本に作られた本格派SUV
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3.7リットルのV型6気筒エンジンを搭載。低回転域から高回転域まで・・・ |
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