206に比べるとひと回り大きくなった207。全長4030mm×全幅1720mm×全高1472mm。ホイールベースは2540mm。つまり長さも幅も大きくなり、5ナンバーサイズのクルマではなくなってしまった。
ホイールベース的にはまぁまぁ平均といったところだろうか。これは全世界的にボディサイズが大きくなっている中で、ライバル同様進化したものだ。確かに最近プレミアムコンパクトと呼ばれるモデルは、どんどん大きくなる傾向があり、Bセグメントの規定自体が大きくなっているように感じられるから当たり前の出来事なのかもしれない。だいたい5ナンバーサイズという考え方が日本独自のものだから仕方ないのかもしれないが…。
さて、今度の207はエクステリアが2種類ある。クラシックスタイルとスポーツスタイルと呼ばれているようだが、簡単に言ってしまうとグリルとバンパーが2種類あって、鼻が長いのと短いのといった雰囲気である。スポーツスタイルというだけあって、今回試乗したターボモデルは当然のことながら鼻長スタイル。1.6LNA5ドアグラスルーフ仕様も鼻長、1.4Lモデルと1.6Lベースモデルは鼻短仕様になっている。
印象的には鼻短モデルのほうがエレガントな感じはするが、鼻長モデルもなかなかスパルタンでイイ。ひと言で言ってしまうと、207はカッコイイ!のである。さすが地元だけあって南仏の景色には見事に溶け込んでいたが、おそらく日本に持ってきてもイイジャン!という声が聞こえてくるに違いない。かわいらしすぎることもなく、かといって素っ気ないということもなく、ペットにできそうなライオンスタイルは、クルマにオシャレなカワイサと機械らしい頼もしさと撫でたくなるような愛らしさを求める女性にとって、全方位的にウケがいいデザインだと言っていいだろう。
インテリアはプジョーらしいといったところだろうか。華美な感じはないが、なんとなくオシャレさんなのだ。使い勝手もなかなかにイイ。センタークラスター部のレイアウトがかなりグッドで、いちばん上にナビ画面がきているので視線の移動量が少なくてすむし、ハザードボタンも独立している。エアコンの吹き出し口横にある調整スイッチに、チューリップのようなお花マークがついているのは、一体どういう意味なのかはよくわからないが、スイッチ類も大きくて手探り操作性もかなりイイ。
オーディオは日本仕様は別のものがつくのだろうが、6連奏CDチエンジャーのスロットが、6枚分の口そのままについているのには少々驚かされた。
ユーティリティ的にも痒いところに手が届く国産車とまではいかないものの、ドアポケットも大きめだし、カップホルダー(ボトルホルダー)もセンターコンソール後ろについているしで、輸入車特有の不便さを感じることはなさそうだ。
ラゲッジスペースもなかなか広い。スーツケースも入るくらいの容量があるのは、さすがロングドライブが日常の欧州車といったところだろう。後席背もたれも6:4分割で前倒しできるので、いざとなれば大荷物にも十分対応してくれるので、ファーストカーとしての実用度も問題ないだろう。
|