|
エンジンはLS600hに使われている直噴2UR-FSEをベースとしているが、シリンダーヘッドを大幅に変更して、トヨタスポーツエンジンの呼称であるGのネーミングがつけられた2UR-GSEになった。G系エンジンの復活である。
ここに使われている技術は多様に渡るが、いくつかの例を挙げるとエンジンの高回転化に耐えるためにカムシャフトハウジングをヘッドと一体化して強度を確保し、またカムのシム調整を必要としないラッシュアジャスターを廃止して、あえてダイレクトとすることで高回転でも正確にバルブ駆動をする方法を選んだ。インテークポートの形状変更、チタン製インテークバルブなど高回転でも耐える技術を投入し、423PSを6600回転で発生している。またトルクも51.5kg-mと言う強大なトルクを5,200回転と言う比較的高回転で出しているが、これがエンジン特性がスポーツエンジンに相応しいものになっているかを決めている。Gの呼称の由縁である。
トランスミッションはLSの8速ATをベースとしているが、主幹自らがギヤボックスと言うネーミングにこだわるように、2速から8速までをフルロックアップすることでマニュアルとダイレクトなパワーの伝達を堪能することが出来る。Dレンジでは通常のATのようにイージードライブが可能だが、マニュアルレンジを選択すると各ギアをホールドするので、マニュアルと同様にドライバーが変速する必要がある。単純なようだが技術の塊で、たんにロックアップすれば完成するものではない。変速させるためにエンジン制御、素早い変速のための各ギヤのエンゲージなど、高いハードルを越えたところにスポーツドライバーが満足するギヤボックスが出来上がった。
姿勢制御の最後の要であるVDIMはスポーツモードを加えた。このモードは簡単に言えばVDIMの介入を遅らせて、ドライバーが作業を妨げない。ちなみにウェットの冨士スピードウェイでの試乗では、スポーツVDIMを入れて終えば、ある程度のドリフト状態も維持しながら、トラクションとともに最後の姿勢制御を行なうという芸当も出来る。
ブレーキはフロントにモノブロック6ポッド、リアに2ポッドのキャリパーとドリルドローターで強力なストッピングパワーを発揮する。
サスペンションはISの前/Wウィッシュボーン、後/マルチリンクをベースとしているが、ジオメトリーを含めてスーパースポーツセダンに相応しいチューニングが施されて、接地形状の優れた『アシ』になっている。
|
|
/ / メカニズム / |
|
|
|
|