レクサス RX350 試乗レポート
確実にレクサスブランドにふさわしい出来栄えだ
フロントはストラットのまま、リアに新設計のダブルウィッシュボーンをおごったサスペンションもまた、ブランドイメージに見合った走りを生み出していた。今回は専用チューニングを施したバージョンSと、エアサスペンション仕様のバージョンLに乗ったけれど、硬めのバージョンSでも細かい上下動はうまく抑えられ、高速道路では姿勢をフラットにキープする。旧型が苦手とした大きめの入力もうまくいなしてくれた。エアサスペンションはさらにいい。リアのエア容量を20%アップしたおかげもあって、旧型で気になった突き上げは消え失せ、エアサスらしいしっとり感を味わわせてくれる。ただ、せっかくハイ・ノーマル・ローの3種類の車高が選べるのだから、切り替えスイッチをわかりやすい場所に置き、高速だけでなくエンジン停止時にも自動的にローにするなどの演出があってもいい。プレミアムブランドは「いかにして見せるか」も大切なのだから。
試乗会は横浜で行われたので、ハンドリングをチェックする場面はなかったけれど、自然な手応えの電動パワーステアリングを切ってからコーナーに入っていくまでの動きのリニアさ、早めの操舵でも接地感を失わないリアの安定性は印象に残った。ISを思わせる身のこなしだ。デザインから走りまで、レクサス・ブランドにふさわしい内容を手に入れた。そう表現することができそうなRXだった。