ホンダ FCX クラリティ 試乗レポート
インテリアにも垣間見るエコロジカルなこだわり
外観で注目したいのは、フロントオーバーハングが極端に短いデザインであることだ。「エンジン車では、いくら排気量が小さくても、ここまで前をコンパクトにすることはできない」と、FCXクラリティの開発責任者である藤本幸人LPLは話している。空力を最優先にした後方のスタイルだが、トランクリッド後端に透明な部分を設けることで、後方視界が確保されている。 室内は、バイオファブリックを前後シート、アームレスト、ドアライニング、ドアアームレスト、コンソールトレイなど広範囲に使ったエコロジカルな空間で、表皮としての肌触りは柔らかく、触れたときに温もりがある。
前後シートには、消費電力を抑えた冷暖の温度調節機能があり、外気温10℃前後の試乗日にもエアコンを使わず、3段階の目盛りの1つ目で十分温かく過ごせた。
燃料電池車は、無音ではない。電気制御と発電のための空気ポンプの作動音が耳に届く。ホンダFCXクラリティでは、そこを従来に比べ抑え、車内で会話していると気付かないほどだ。風切り音やロードノイズも聞こえてこず、穏やかで快適な室内環境である。後席もゆったりして高級といえる。