ホンダ FCX クラリティ 試乗レポート
枯渇の心配が無い水素 では安全性は?
中学の理科で習った原子の周期表の一番に出てくるのが、水素だ。つまり、もっとも小さく軽い元素である。無色・無臭・無害が特徴だ。 水素は燃えやすい性質で、燃えても炎はほとんど見えない。取り扱いに注意が必要だが、それはガソリンも同じことだ。ガソリンは永い年月を掛け、安全に使えるようにしてきた。水素も安全に扱えるように工夫すればよい。水素漏れを起こさないよう燃料電池車を作るのは勿論だが、万一に備え、水素タンク、燃料電池、室内の各所に、水素漏れ検知器を設置し、検知されたら、ただちに経路を遮断する仕組みとなっている。
水素補給に際しては、充填装置側のノズルを車両のタンク口金に差し込み、シールされた密閉状態で全自動充填する。ガソリン給油中に、揮発して空気中に陽炎が立つのに比べ、よほど安全だ。万一漏れが検知されると、自動遮断装置が作動し、漏れた水素は軽いので拡散し、空気中で燃え出す含有量に達することはない。
水素は、水、石油、アルコール、天然ガスなどに含まれ、それらから分解して取り出す。多くの物質に含まれるので、枯渇の心配はない。水素ステーションでは、高圧ガス状にして溜めておくのが一般的だ。