日産 フェアレディZ 試乗レポート
S30Zを髣髴とさせる塊感
短くなったのはホイールベースだけではなく、全長も65mm短縮され4,250mmとなり、逆に全幅は30mm増えて1,845mmとなった。全高に変更はない。 つまり、より塊感の強いフォルムになることは想像に難くない。実際にそのデザインを目の前にした時に感じたのは、爆発的ヒットとなった初代S30Z(1969年)をどことなく思い出すことだ。どこが似ているというのでもない。あの頃に比べれば明らかに重厚感があるし、思い切ったフェンダーのブリスター感も現代的だ。しかし、そのメインターゲットユーザーを聞いてなるほどと思った。ターゲットは子離れして余裕の出来た50歳台の夫婦層なのだという。しかし、そんなことにとらわれる必要はないと思う。ブーメラン形状のヘッドランプとリヤコンビネーションランプも個性的だ。年齢を問わずスポーツを感じられるデザインだろう。
アルミ化によって計量になったドアを開けて乗り込む。Z34ではドア以外にエンジンフードとリヤハッチをアルミ材に変更して軽量化している。シートに座り最初に感じるのは、スポーツカーらしい包まれ感だ。ヒップポイントが10mm低くなり、適度にダッシュボードやショルダーが高くなったことで、以前のモデルで感じていた頭高な感覚がなくなった。かといって前方の見切りが悪くなったわけではない。