日産 スカイライン 3.7Lエンジン-7速AT 試乗レポート
走りは欧州仕込みのフットワーク
フットワークも大きく洗練された。従来は北米仕様と共通だったところ、新型では欧州仕様と同じになった。具体的には、従来に比べダンパーの減衰力の絶対量を同等としながら、伸び縮みのバランスを最適化し、不整路で突き上げ感を伴いやすい縮み側の減衰力を抑え気味にしたとのこと。これにより乗り心地の快適性を確保しつつ、振動を瞬時で収束させ、微振動を残さないという、ダンピングの利いた、引き締まった乗り味となった。
また、これまではアンチロールを意識しすぎたきらいもあったが、ロール感がリニアになり、ロードホールディング性も向上した。聞けば、欧州をかなり走り込んでチューニングしたらしく、その成果が如実に現れている。
4WAS(4輪アクティブステア)についても、セダンの初期モデルでは動きが早すぎる印象を持っていたが、適度に緩やかになり、ちょうどよくなった。4WASは低〜中速走行では切り始めに後輪の逆相制御を行なうが、高速コーナリングも含め全体的に制御が洗練され、リニアリティが増した。従来の味付けはとかく「過剰演出」と揶揄されたものだが、これなら別のクルマを複数所有するユーザーでも戸惑うことはないだろう。
ステアリングの操舵力はやや重めで、個人的には好みだが、女性ではちょっと重いと感じる人もいるかもしれない。