アウディ A6 試乗レポート
A6アバント 2.8FSIクワトロ
アバントの2.8FSIクワトロが積む心臓は、基本的に従来からの踏襲ユニット。前出セダンのエンジンとは排気量では200cc強しか違わないものの、こちらは自然吸気エンジンゆえに最高出力では70ps、最大トルクでは140Nmという大差が生まれている。そんなパワーユニットをセダン比では60kgほど重いアバントのボディに積む事もあり、率直なところ、そのパワー感の違いは予想以上に大きい。もちろん、日常シーンでその動きの鈍さに辟易とさせられるような事は皆無ながら、それでも「もうちょい余裕が欲しいナ・・・」と感じるドライバーは少なくないかも知れない。
一方、大きなテールゲートを備えるステーションワゴン・ボディの持ち主でありながら、路面凹凸を拾ってドラミング(低周波)振動を起こす事もなく、セダン同様の静粛性を実現させている点には感心。何がしかの荷物を積みたいという事情からではなく、「こちらのカタチの方がセダンよりも好きだから」と、そんな理由づけも十分納得出来るスタイリッシュなルックスも、“アウディ・ワゴン”ならではのセールスポイントだ。