シュトゥットガルト発!ポルシェ ミュージアム緊急レポート
ほとんどが走行可能な展示車両
ヨーロッパ内170もの建築事務所からデザインを募り、その中の10社に対してコンペティションを実施した末に決定されたというデザインの新博物館の建屋は、本社に隣接する従業員用駐車場の跡地に丸3年の工期と1億ユーロという費用を掛けて建設されたもの。3本の支柱に支えられて宙に浮いたかのような長さ140m、幅70mに及ぶ5階建てのその建造物は、さながら巨大な宇宙船のような異様の持ち主でもある。半地下式に掘り下げられたグランドフロアに位置するビストロやミュージアム・ショップ。そして最上階のカンファレンス・ルームやレストランを除いた3フロア分を用いて展示されるのは、およそ80台の展示車両と200点に及ぶという展示品。ちなみに、ポルシェが現在所蔵するコレクションはおよそ400台に達するというのだから、これでもまだほんの一部分が展示をされるに過ぎないという計算になるのだ。
そうした所蔵品の多くは走行可能な状態に整備をしてから展示するというのがポルシェのスタンス。世界各地で行われる歴史的なレースやパレードにも積極的に出展を行い、そうした貸し出し車両が抜けた跡地にはまた別の車両の展示を行うという『ローリング・ミュージアム』のコンセプトを掲げるのも、ここの大きな特徴だ。