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新型シビック タイプRの使命は“FFタイプR史上最速”であること
1992年のNSX TYPE Rデビュー以来、ホンダの走りの象徴的としてきた”TYPE R”。そして、2007年、新たなTYPE Rとして「シビック
タイプR」は誕生した。
シビック
タイプRに課せられたのはFFタイプR史上最速のサーキットラップタイムの実現。世界最高峰の舞台であるF1に挑み続けるホンダのレーステクノロジーとスピリットを注ぎ込み、気持ちよくコーナーをクリアする高次元の走り、ドライバー操作へのダイレクトな反応、そして速さ。「速さと一体となる」走りを実現することをテーマにシビック
TYPE Rは開発された。
歴代タイプRのデザインコンセプトを継承 シビック タイプRのエクステリアは、赤いHondaエンブレム、チャンピオンシップホワイトの専用外装色、大型のリアウイングを中心とするエアロパーツなど、レーシングカーのテイストを持つ歴代タイプRのデザインコンセプトを継承。だが、シビックにただエアロパーツを追加するのではなく、FF
タイプR最速を目指すクルマとして、ボディ部材自体から見直しを図り、エクステリアデザインを大幅に進化させた。
低くワイドで地を這うようなスパルタンなデザインにするために車高は10mm下げられ、スポイラーの下端は10mm以上下げて外側に張り出された。また、エンジン出力向上のための補機類のレイアウト変更にあわせて、ボンネットフードの中央は盛り上げられ、両端を低く落とした専用デザインを採用。225/40R18のタイヤを収めるためにフロントフェンダーも専用にデザインされている。フロント/リアバンパーも専用デザインを採用し、リアにはディフューザーを追加。空気を滑らかに流す面とシャープなエッジで構成されたデザインは、スパルタンなデザインと優れた空力特性を両立させている。
機能と質感を尖らせたサーキットコックピットデザイン
インテリアは、いかにドライバーがクルマと一体化でき、高次元のコントロールクオリティを実現できるかをテーマに開発。
ドライバーを面で包み込みHonda R Specシートと名づけられたシートは、徹底した走り込みの実施により新開発された。メーターは、シビックのマルチプレックスメーターの配置を活かし、シフトタイミングを把握しやすいレッド照明のi-VTEC/REVインジケーターを配置。シフトは、アルミ製球形状のショートストロークシフトノブを採用し、節度感のある確実なシフト操作を可能にする。
また、タイプR初となるエンジンスターターボタンを採用。ドライバーが、より運転に集中できるようにインパネ上部パネルの色は抑えられ、メーターの色味の際立った黒基調のインテリアは、機能と質感を尖らせたサーキットコックピットデザインを感じさせる。
細部までホンダのレーシングスピリットを注入
エンジンは、FF
タイプR最速を目指し、DOHC i-VTECエンジン[K20A]を細部におよび見直し、パワーアップに挑んだ。具体的には、スロットルボディの大径化、インテークマニホールドの単管ショート化、さらにはヘッドポートの表面を滑らかに仕上げるNSXエンジンの製法を採用し、あわせて吸気効率を向上。最高出力は225PS/8,000rpm、最大トルクは、21.9kg・m/6,100prmを発生。燃費効率を高めるため、圧縮比を従来の11.5から11.7まで引き上げ、排気抵抗の低減のために、エキゾーストマニホールドの集合部鋭角化、排気抵抗を低減し完全デュアルエキゾーストパイプの曲がりを最小限に抑えるべくパワーステアリングは油圧式に変更された。スロットルはドライブ・バイ・ワイヤー化され、アクセルペダルの踏み込み量に対するスロットル開度がきめ細かくセッティングされている。
6速トランスミッションは、1〜3速をオーバーオールで約4%ローレシオ化。4・5・6速は爽快な伸びを実現するために約1%ハイレシオかされている。シンクロナイザーは、1・2速:トリプルコーン、3速:カーボンのダブルコーン、4速:ダブルコーン、5・6速:カーボンのシングルコーンというホンダの6速MRで最もスポーツ走行に適した設定とされている。
ボディは、シビックの高いボディ剛性を活かし、従来のタイプRのようにタワーバーなどの剛性部材を使わず、わずか1.8kgのウエイトアップで高次元の軽量・高剛性ボディを実現。専用ダンパーやスタビライザーを強化したポテンシャルの高い強化サスペンション、限界性能の高い専用開発の18インチのハイパフォーマンスタイヤを採用。リアでロール剛性を高め限界を向上させながら、フロントは柔軟にセッティングすることにより、高いコーナリングフォースを引き出し、アンダーステアを抑え込む優れたステア特性を実現している。ブレーキはフロントにФ320mm、リアにФ282mmの大径ブレーキを採用。Brembo社製4ポトキャリパーをフロントに採用し、頼もしい効きと剛性感のあるペダルフィーリングを実現。冷却性能にも徹底してこだわることで、サーキットで周回を重ねてもフェードをきにせず走れるほどの優れたフェード性を実現している。
各部においてホンダの走りに対するスピリットが注がれたシビック タイプR。ピュアスポーツカーとして、タイプRの新時代を切り開こうとしている。 |
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