トヨタ エスティマ 試乗レポート
やはりエスティマは2.4Lで必要充分
ドライブフィールについて、今回のマイナーチェンジにあたり、設計レベルでの変更点はとくに伝えられていない。しかし、いわゆるNVH(ノイズ、バイブレーション、ハーシュネス)が、心なしか向上したように思えた。乗り心地が従来はもう少し突っ張った印象だったところ、微妙にカドが丸められたような気がしたのだ。さらに18インチ仕様は、17インチ仕様に比べて乗り心地がだいぶ固めとなるが、ステアリングフィールの手応えが増し、フットワークの俊敏性が増すなど、一長一短。1インチの差でも走りの印象はけっこう異なる。
あらためて、2.4L 直4と3.5L V6のガソリンエンジン車に試乗。2.4LはCVTとの組み合わせとなるが、巧みな変速の制御によりゼロ発進もスムーズで、常用域でも回転が先行してイメージ通りに走れないような嫌な感じもない。一昔前のトヨタのCVTは、このあたりがイマイチだったが、このエスティマ以降のものは、なかなかよくできている。
動力性能的にも必要十分。従来は常用回転域より少し上の加速時にやや騒々しく感じていたが、心なしかその印象が薄れたように思えたのも気のせいか・・・・・?
3.5L V6は、6速ATが組み合わせられ、質感も含め動力性能は圧倒的に上。もともとのエンジンの動力性能に加え、ATにつき、踏み始めからドンと出るのが強み。V6の重厚感ある心地よい響きを味わうこともできる。販売的には、従来は2.4Lがほぼ9割と圧倒的に多数とのこと。エスティマ程度の車重であれば、動力性能は2.4Lでもとくに不満はないし、燃費面でも有利なはず。これがアルファード/ヴェルファイアであれば話は別で、強く3.5Lを推すところだが、エスティマでは「2.4Lでも十分」とお伝えしておこう。
とはいえ、エスティマを「スタイリッシュな高級ミニバン」と捉えるのであれば、価格差はそれなりではあるが、やはり3.5Lの持つ上質感は捨てがたい。