未知のディメンションでどう扱うか? |
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以前から各方面でスクープされていたクルマが、ようやく現実のものとなった。そのプロトタイプに、ひと足早く試乗する機会に恵まれた。
全長2,985mm、全幅1,680mm、全高1,500mmという、日本車にかつてないディメンション。ワイドながら極端に短く、ボディの四隅に大径タイヤを配した独特のフォルムに、短いオーバーハングや張り出したホイールアーチ、ボディパネルの抑揚など、小さいながらもダイナミックなスタイリングを見せる。
仮想敵はスマート・フォーツーに違いないが、こちらは4人乗り。Aセグのサイズの中に、Bセグの要件と、Cセグのクオリティを詰め込んだというマイクロプレミアムは、これまでにないカテゴリーのクルマである。
幅の大きなドアを開けて、スマートよりもヒップポイントが低いシートに収まると、平らなダッシュボードが目前に広がり、センタークラスターやメーター、インナードアハンドルのデザインも非常に凝ったものであることがわかる。シートは薄いが、着座感は悪くない。
インパネの助手席側を少しえぐった左右非対称形状とし、さらにグローブボックスを持たないので、乗員は運転席よりも少し前の位置にスライドさせて座ることもできる。よって、助手席側の後席には大柄な人でも乗れるスペースが生まれる。乗員すべてが標準的な成人男性以下の体格であれば、広いわけではないが、4人乗車もそれほど苦痛なくこなせる。
反面、運転席はもう一歩。テレスコピックのないステアリングや、シートリフターが付かないため、むしろ小柄な人のほうがベストポジションを取りにくそうだ。
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