試乗はハイウェイを含めたワインディングロードとクローズドエリアでのGPとの比較試乗である。
タイヤの性格はヨコハマゴムの説明どおり、汎用性の高いタイヤだが、基本的にはGPの後継だけあってスポーツ性能を核としたものであることには変わりはない。走り始めてすぐに感じることは心地の良い硬さである。路面の細かい凹凸には落ち着いた反応をするが頭の芯に響くような不快なものではない。硬さでは従来のGPもルックスほどには過激ではなく、結構快適な乗り心地を提供してくれたが、Sドライブはさらにマイルドな硬さに仕上がっている。ナノパワーゴムはこんなところでも貢献しているのだろう。
その代わり大きな凹凸では腰の強さを示し、多少の突き上げ感と共に収まりのよいダンピングを見せる。
タイヤノイズはさすがにヨコハマのコンフォートタイヤで世界一級の静粛性を持つデシベルほどの物はないが、ロードノイズは良く抑えられている。気をつけていればシャーと言うパターンノイズが感じられるが、十二分に許容レベルである。
高速での直進性もリーズナブルなレベルに仕上げられているが、ハンドル中立から切った時の反応は素直に応答する。さらにハンドルを切りましてからのグリップには目を見張るべきものがあり、スキーで言えばエッジでグイーンと旋回するような小気味よさを見せる。
ウェット性能はGPとの比較となるが、明らかにグリップ限界が異なる。同じ円を旋回するにもGPとSドライブではハンドル舵角が異なり(当然、Sドライブは少ない舵角となる)、滑り出すときもグリップ感のあるすべりを見せる。ちなみにドライでのスラロームで、特に切りかえしたときの追従性もSドライブは高い。
◆WET制動
新コンパウンドのパワーで、WET制動距離を10.3%向上。 |
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<試験方法>第5輪装着によるブレーキ試験。制動距離を各々5回計測し、最大、最小を除いた3回の平均値を算出。
<試験条件>横浜ゴムテストコース、路面/アスファルト、制動速度/100km/h、制動方式/ABS制動、水深/1mm、タイヤサイズ/225/45R17 91W、リムサイズ/17X8JJ、空気圧/220kPa、車両/BMW325i、乗車条件/1名
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スポーツ性能を核としながらも快適な乗り心地を確保 |
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ハンドルを切った時の応答は素直 |
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プレーキング時の制動性能も大幅に向上 |
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ウェット性能も向上し、安心したドライブが可能 |
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