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マイナーチェンジを受けたカイエンの「見えない特徴」――まずその最たるものは、従来通りの『カイエン』、『カイエンS』、『カイエン・ターボ』という3タイプが搭載する各エンジンが、全て新規開発によるユニットへと置き換えられた点にある。V型6気筒、V型8気筒、そしてそのツインターボ付き・・・と前出それぞれのモデルに搭載される各心臓の基本デザインは変わらないものの、見逃せないのはその全ての燃料供給系が直噴式へと変更された事。
最近では、燃焼室内への燃料直接噴射が“燃料冷却”の効果を持つ事から、それによるノッキング限界の高まりを活用して圧縮比を上げ効率アップを狙う例が少なくない。しかし、カイエンの新しい心臓の狙いがそうした多くの直噴エンジンたちと異なるのは、同時に排気量アップを図った点にも明らか。すなわち、カイエン用の新エンジンは直噴化に伴う効率のアップと共に明確なパワーアップも意図。ここ数年で“周辺ライバル”たちが積む心臓が徐々にパワーアップを続けているのを受け、このタイミングで再び「圧倒的に強力な走りを手に入れよう」という決意のほどが読み取れる。
実際、3.2リッターから3.6リッターへと変更された『カイエン』は40psアップの290ps。300cc拡大で4.8リッターとなった『カイエンS』は45psアップの385ps。そして、同じく4.8リッターのV8ユニットに大型のラジアルタービンを備える新ターボチャージャーを2基加えた『カイエン・ターボ』の最高出力はついに500psと、それぞれ大幅なパワーアップを実現。ちなみに、最強版であるターボの動力性能は0→100km/h加速タイムが5.1秒で最高速が275km/hなどと、到底SUVのそれとは信じがたいほどのデータが並ぶ。
そしてもう一点、今回のマイナーチェンジでの大きな技術的トピックは、『ターボ』には標準、それ以外のモデルにはオプション設定のエア・サスペンション選択の際に、さらにオプション装着が可能な“PDCC”が新設定された事。ポルシェ・ダイナミック・シャシー・コントロールと名づけられたこのシステムは、前後個別に剛性コントロールが可能な連続可変制御スタビライザーにより、走行性/快適性をさらに高めようというアイテム。最大180バールという高圧により瞬時に作動をする油圧スイングモーターを、前後のスタビライザー・バーに装着。これにより、最大0.65Gまでの横加速度に対して“ゼロロール”の姿勢を保つ事が可能になる、というのが担当エンジニア氏による説明だ。4つの車輪のストロークをモニターし、3つのセンサーがボディ加速度をチェックする独自開発によるコントローラーは、さらにステアリング角や車速の信号も拾って制御を実施。トランスファ・スイッチでローレンジ・モードを選んだ際の35km/hまでの速度では、ロール剛性を落としてより高い4輪の接地性を狙う“オフロード制御”が行われるのがSUVならではのロジックだ。
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ポルシェ カイエン / エクステリア・インテリア / |
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ポルシェ カイエン 新車価格:692〜1,398万円 |
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