ビー・エム・ダブリュー株式会社は13日、ニューBMW3シリーズ・セダンとツーリングの発売開始を発表した。同社にとっては1シリーズ・クーペ、同・カブリオレ、X6に続く本年4モデル目の新型車となる。
1975年に産声を上げた3シリーズは”プレミアム・スポーツ・セダン”の先駆者として市場をリードしてきた。さらに、その性能の高さから世界中の自動車メーカーがベンチマークとして3シリーズを意識してきたことは有名だ。その3シリーズがこの度マイナーチェンジ。まずはセダンとツーリングが化粧直しをして日本にやってきた。
まず目につくのはエクステリア、中でもハイライトはエンジンフードに設けられたキャラクターラインだろう。これにより、従来よりもフロントマスクに精悍さが増した。加えて、拡大されたキドニー・グリル、新形状のフロント・バンパーとドアミラーなどがフロントのデザイン変更点となる。
リアに回ると、従来型とは異なるL型テールランプの意匠に気づく。前後ともLED技術を採用し、上質感を高めるランプを備えるに至った。リヤ・バンパーとトランクリッドもリファインされている。エクステリアで見逃せないのが、全幅の縮小。日本のこのセグメントのユーザー状況を仔細に調査した結果、機械式立体駐車場の車庫証明を持つ人が多かったという。そこに入庫可能なのは1,800mmまでということで、新型3シリーズの全幅も1,800mmに設定された。
そして、今回最大の目玉がiDriveの仕様変更だ。今回の3シリーズ・マイナーチェンジにあたって、BMWは日本仕様向けに日本の国内で20万km、7,400時間に及ぶテストを行い、性能を飛躍的に向上させたという。従来はダイヤルひとつのシンプルなインターフェースだったiDrive。シンプルで直感的で使いやすいという人が入る一方、階層構造などを分かりにくいと感じる人がいたのも事実。そんな声にBMWサイドも応えたようで、ダイヤルの周囲に各種機能へダイレクトにアクセス出来るボタンを設置した。ちなみに、「MAP」表記は日本仕様独自のもので、それ以外には「NAV」表記となるそうだ。日本のユーザーのカーエレクトロニクスへの評価は非常に厳しく、それに対応すべくナビゲーションを始めとする数カ所のリファインが行われた。日本で鍛えられた仕様がBMWの本国に反映されているのだという。
今回はボディカラーにも若干の変更がある。スパークリング・グラファイトがセダン、ツーリングのカラーラインナップから廃され、新色のタスマンとブルー・ウォーターが追加された。さらに、3シリーズでは2ドアモデルにしか設定のなかったスペースグレーが、4ドアモデルでも選択可能になった。
まさに”日本のために誂えられた”BMW3シリーズ。かゆいところに手の届くマイナーチェンジを経て、これからもプレミアムスポーツセダンの分野をリードしていくのは間違いなさそうである。
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