ホンダは4日、新型インサイトを発表した。インサイトは初代が1999年に誕生。ホンダ初のハイブリッドカーとして、当初はトヨタ プリウスに続くハイブリッド量産車として脚光を浴びた存在。しかしその後10年で、クルマに対する顧客のニーズは多様化し、現在となってはクルマ自体の在り方、存在価値に異論する声も増え始めている。
しかしそんな中、ホンダのインサイトにかける意気込みは熱い。今後グローバルカーとして欧州、北米への販売も展開する見通しで、年間20万台を視野に入れ、新時代のグローバルスタンダードカーとして世界に普及させていく考えだ。
会見でホンダの福井社長は、「新型インサイトは、軽量、薄型をコンセプトに、バッテリー及びモーターなどのハイブリッドコストを4割削減させることに成功した。今後はこのインサイトをはじめ、FCXクラリティ、CR-Zというホンダの最新の環境性能を凝縮したクルマの投入に、全力を注いでいく」と考えを示した。
新型インサイトは“環境、ユーティリティ、FUN、廉価”の4つのキーワードを軸に開発が行われ、まずその189万円から221万円という車体価格に注目したい。この価格帯は、同社のシビックハイブリッドや、トヨタ プリウスのエントリー価格よりも安く、いかに良心的な値段設定がされているかがお判りいただけると思う。その他にも1.5L車並のパワーを発揮しながらもリッター30q/Lという低燃費を実現した点や、ハイブリッドカー初のステアリングパドルシフト(CVT)なども搭載しており、加速、燃費性能に寄与する形が採られている。
また先進機能も満載で、オデッセイにも採用されているECONモードや、ドライバーのエコ運転状態を分析且つ採点も行う、燃費コーチング機能及び、ティーチング機能といったエコアシストも全車に標準装備している。まさにエコ運転を楽しんでもらおうとする開発者の狙いがそこにある。
ホンダ広報部によると、新型インサイトの月販目標台数は5,000台。既に受注開始から5,000台の注文を確保しており、多くの人々のハイブリッドカーへの関心の高さがうかがえる。
これを期にもっとハイブリッドカーを身近な存在に感じてもらえればと思う。 |